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Cameraな日々

210128 文大統領「困惑」真意探れ  慰安婦訴訟 日本に賠償命令

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'21/01/28付北海道新聞朝刊6面の記事 各自核論

文大統領「困惑」真意探れ
 慰安婦訴訟 日本に賠償命令
    静岡県立大教授小針  進

 年明け早々「戦後最悪の日韓関係」からの脱却をさらに難しくする韓国司法の判断が伝わってきた。
ソウルの中央地裁が、元慰安婦への賠償を日本政府に命じる判決を1月8日に言い渡したのだ。

 国家は他国の裁判権に服さない「主権免除の原則」を覆すものである。
同原則により、訴訟手続にも関与しない方針を日本政府は貫き、23日に判決は確定した。




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 文在寅大統領は、18日の年頭記者会見で、この判決に「困惑している」と述べ、慰安婦問題に関する2015年の日韓合意を「両国間の公式合意と認める」と表明した。
徴用工訴訟での判決による日本企業の韓国内資産の現金化と関連しても、「(売却は)望ましくない」とした。

 「君子は豹変す」なのか。
15年の合意を事実上白紙化したのも、徴用工判決後の状況を「放置」してきたのも、文氏自身だ。
支持者から批判が出ているほどである。

 茂木敏充外相は「姿勢の表明だけで評価を行うことは難しい」と、歓迎はしていない。
新提案ではなく、どこか「傍観」するに等しい姿勢なので、当然であろう。

 それでも、文氏発言の意図は何か、真の「変化」なのかを、慎重に探る必要はあるだろう。
20日には米国のバイデン新政権発足という大きな環境変化もあった。
文氏の大統領任期切れは来年5月だ。
政治的レガシー(遺産)として、対北朝鮮での劇的な改善を政策の最優先目標としている。




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 レガシーづくりにはバイデン大統領の協力が必要だ。
実はオバマ政権時代、当時の安倍晋三首相と朴槿恵大統領を仲裁したのが、副大統領のバイデン氏だった。
日韓合意に向け「調停委員の役割をした」と米誌とのインタビューで述べたことがある。
トランプ前政権時代とは異なり、文氏が仲介役のバイデン氏に配慮して日韓合意を「認めない」と言えない背景にあったのかもしれない。

 バイデン氏は大統領に当選する前、韓国メディアに「私は原則に立った外交の下、非核化した北朝鮮と統一された朝鮮半島に向けて進む」と語った。
トランプ時代のようなトップダウン外交はしないという意味だ。

 文政権がレガシーづくりに焦るあまり、北朝鮮の非核化を軽視するような姿勢を見せれば、同盟重視のバイデン政権は対日関係改善を含めた注文を文政権にするだろう。




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 共和党系で元国務副長官のリチャード・アーミテージ氏、民主党系でハーバード大特別功労教授のジョセフ・ナイ氏ら米国の知日派専門家は、年末の報告書で次のように書いた。
「日米同盟は克服すべき課題がある。日韓の緊張が最たるもので、両国は過去でなく未来に焦点を当てるべきだ。東京五輪への協力など、菅義偉首相と文大統領がスタートを切る機会がある」と。
米側は超党派で日本にも努力を求めていると言ってよい。

 日本通が周辺に不在の文氏の耳に、日本側の主張がダイレクトに伝わっているかは不明だ。
両国に横たわる問題は韓国の国内事情に起因するものが多く、文氏のリードなしに解決は見通せない。




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 菅首相は、18日の施政方針演説で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と無条件で会う意向を示した。
文氏に対しても「国内を説得してもらわないと、日韓も日米間の協力も立ち行かなくなる」と直接的に伝え、文氏発言の本気度を引き出す戦略や気迫があっていい。



210704-210128 6面文大統領困惑真意探れ




by ayacbm | 2021-07-04 20:46 | 慰安婦 | Comments(0)